ra-menkyowakoku_13
〔踏切名称〕:ら~めん共和国踏切
〔所在区間〕:道産子交通鳴門線 ら~めん共和国・札幌国間
〔地点距離程〕:??起点 41k893m
〔管理事業者〕:札幌駅総合開発(道産子交通)
〔踏切所在地〕:北海道札幌市中央区北5条西2丁目5番 エスタ10階
〔踏切種別〕:第2種踏切(自動車通行不可)
※道産子交通は札幌駅ビル・エスタ10階で展開しているら~めん共和国における架空の鉄道です

 札幌駅の隣で展開している架空路線にある第2種(模擬)踏切です。
ra-menkyowakoku_6
 札幌駅に併設されている商業施設・エスタの10階レストラン街にあるラーメンを題材にしたフードテーマパーク・札幌ら~めん共和国に設けられた模擬踏切です。よく見ると遮断棒(かん)はなく、遮断ロープが上下方向に昇降して線路横断を遮断するという日本国内では現役で現存している稀有な事例です。名鉄・神宮前1号踏切が2012年に廃止されてからはこのようなロープ遮断は筆者が知る限り当踏切が唯一のようです。模擬踏切につき踏切警手の詰め所は省略されていますが、ロープ昇降式遮断機には踏切警手はつきもので、そういう点で当踏切は実は日本では絶滅したとされている第2種踏切ということで。。。
※昇降式遮断機が現存していましたら是非コメント欄で優しく教えてくださいね
ra-menkyowakoku_18
 「道産子交通」という事業者が「鳴門線」という路線を展開しているという設定です。当踏切のすぐ脇には「ら~めん共和国」という架空の駅が設けられていて、そこには蒸気機関車が置かれているという芸の細かさ。当踏切がある札幌ら~めん共和国を展開している札幌駅総合開発株式会社の筆頭株主は北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)で、この手の装飾にはホンモノの鉄道マンが鉄道会社の威信をかけてしっかりとしたものを作ろうというプライドが垣間見られます。
ra-menkyowakoku_7
 踏切の名称は「ら~めん共和国踏切」というようです。踏切名・駅名でチルダ記号(「~」)が用いられた名称は見聞きした覚えはなく、模擬踏切ながら踏切では当踏切が国内では唯一無二の存在となっていました(駅名は近接の「ら~めん共和国(RA~MENKYUWAKOKU)」が唯一ということになります)。由来は言うまでもなく当踏切が所在している国の中にあるからとみられます。距離程は41k893mとあります。
 一般的な踏切にも記載がある連絡先は道産子交通ら~めん共和国支社信号通信指令となっていて、架空の電話番号まで書いてあります。道産子交通に支社があるというのも興味深いですが、信号通信指令なる言葉が書かれているって、鉄道素人ではこんな細かくは仕上げないでしょう。さすがです。
ra-menkyowakoku_9
 ホーム設置の駅名標でら~めん共和国駅の隣は札幌国駅側のみの記載であり、逆側は空欄となっているため、ら共駅は終着駅とみて確定でしょう。となると「ら共駅」の直前にある当踏切(41k893m)は終点の直前にある踏切であることになります。
 ちなみに札幌駅付近から41キロだと塩谷駅が41.5キロ、千歳駅が41キロちょうど、岩見沢駅までが40.6キロで、どの区間も当踏切の41k893mと「目片でド~ン」するような距離ではありません。。。なにかの語呂合わせにしても「よい白菜」だとしたら「418931」じゃなければおかしいし、まさか反社会的勢力と仲良く付き合うために「良いヤクザ」としている・・・わきゃないわな。
ra-menkyowakoku_10
 その「ら~めん共和国駅」のプラットホームにはご丁寧に時刻表が掲げられています。見ると列車の行き先は「札幌国」「旭川国」「函館国」「釧路国」が並んでいて、更に一部の列車は「千歳国」「替玉国」への列車が接続しているとあります。釧路国行列車に乗ると途中か終着で替玉国行列車に乗り継げるということを示しているのでしょう。よくわからないのはら~めん共和国駅から旭川国行列車はどの駅で札幌国行列車に連絡しているのか。。。この時刻表から読み取れる諸条件をまとめると以下の通りになります。
  • 替玉国は釧路国行列車の途中か終着で接続する列車で行く
  • 札幌国は旭川国行列車の途中か終着で接続する列車で行く
    →22時台以外の旭川国行列車は札幌国行列車に接続しています。ら共から見て札幌国は旭川国よりも遠くにある?
  • 千歳国は札幌国行列車で途中か終着で接続する列車で行く
 これらを想像しながら札幌・函館・旭川・釧路の位置関係を踏まえて鳴門交通のネットワークを想像したらこんな感じに↓
naruto
 千歳国は札幌国から函館国・釧路国が分岐する付近にあるのかも知れませんが、旭川国行列車で接続する場合にどの駅で接続をするのかという疑問が・・・替玉国は釧路国よりも先にある根室的な場所のことを差しているのかなと推測します。しかしこれらを踏まえたとしても当踏切の距離程(41k893m)の謎には行きつきません。道産子交通・恐るべし。ひょっとして替玉国って九州?!(ラーメン替玉の発祥は福岡県の元祖長浜屋なんだそうです)
ra-menkyowakoku_2
 なお、札幌ら~めん共和国のエントランス部には同共和国の友好国とみられる諸国のバナーが多数貼られていてとても興味深いです。前述の列車時刻表にある諸国以外にも様々な国がお馴染みの地名とともに制定されているこちらも芸の細かさです。
ra-menkyowakoku_14
 踏切には八角形式の踏切注意兼故障中表示看板が設けられる芸の細かさ(三度目)。富士急行(富士山麓鉄道)の踏切で見ることができるこの看板はスイッチの切り替えで中の文字盤が動いて黒い部分に隠れている「踏切閉鎖」の文字が出てくる仕組みになっているのですが。。。
ra-menkyowakoku_15
 当踏切は模擬なので木製板で作られたものです。といってもかなり精巧な出来栄えであることにこちらも鉄道会社(の関連会社)のプライドを垣間見ます。
ra-menkyowakoku_8
 ↑ら~めん共和国駅方、下り方向の線路の様子です。画像の下部にご注目ください。レールが敷かれ(描かれ)ています。その先には蒸気機関車を模した車両がら共駅に停車しています。
ra-menkyowakoku_17
 蒸気機関車は北海道で最初に導入され活躍した旧幌内鉄道7100形を模したもので、ここでは「7RU10」としています。ボイラー室の前蓋部分がナルトになっている洒落っ気がとても面白いです。
ra-menkyowakoku_11
 ↑こちらは札幌国方、推理上の上り方向の様子です。線路はラーメン店の際を蛇行しながら敷設されているという、この部分は鉄道会社関連企業のプライドなんぞどうでもよい作りになっています。彼らには車両限界という概念はないのかも知れません。
ra-menkyowakoku_12
 せっかくら~めん共和国へ「入国」したのだから、もちろんラーメンを頂きました。これは札幌真麺処 幸村の味噌ラーメン(880円/ネギを抜いてもらってます)で、白みそ風味の香りが心地よく、おいしく食べることができました。本店は豊平区美園の36号線付近にあるんだそうですが、その付近は個性的な札幌ラーメン激戦区のようで、食べ歩きも楽しいかも知れません。ちなみにこのお店では小盛を600円で提供してくれるので、ら共国内での食べ歩きも可能です(食べすぎ注意!)。

 ラーメンを食べ終え、下りのエスカレータに乗るとワンフロア下にはこんなものが広がっていてびっくり。
ra-menkyowakoku_20
 H100系DECMOですよ♪さすがに踏切は見当たりませんでしたが、JR北海道が誇る近郊型車両が3編成もあります。DECMOの他に731系電車も見えます。
ra-menkyowakoku_21
 これ、いわゆるお子様向けの三輪車のようなもので、JR北海道とのコラボなんだそうです。どうりで精巧なわけで・・・

 バンダイナムコさんの「あそびパークPlus」は有料の遊具施設で、日本全国に15か所に展開をしているようです。
ra-menkyowakoku_19
 外壁には789系特急車両や北海道をモチーフにしたイラストが描かれていて見ていてとても楽しいです。

 そんなエスタ札幌ですが、北海道新幹線札幌延伸工事の進捗に伴い2023年夏に営業を終了するそうです。
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20211110_KO_Esta.pdf
 今回紹介のら~めん共和国やおあそびパークPLUSは令和5年8月31日で閉店致します。


〔アクセス〕JR札幌駅隣接(エスタ10階)
〔訪問調査日〕2022年5月27日