
東京・荒川区の住宅密集地を分ける東北線の線路を横断する第1種踏切です。

JR東日本尾久車両センターの盛岡方すぐに設けられていて、また都心部を目前として列車回数がとても多い区間ということ、駅に近接していて遮断時間が増大することもあって、当踏切にはエレベータ完備の跨線橋が設けられています。

この跨線橋には「上中里さわやか橋」と言う名称が付与されています。さぞや爽やかな橋なのかと思いきや、口コミサイトによれば・・・
「夏場以外は電車を見るとき子供と登っています」なかなか辛辣なコメントが並んでいて、これを見ちゃうと列車待ちが長くても跨線橋ではなく踏切横断を選びたくなります。だからなのか、跨線橋を利用する人は当方が踏切見学をしている間だけでもそれほど多くなく、列車待ちをする人がとても多かった印象です。
→空調(冷房)が無いので夏場は暑いのか?!
「北側のエレベータからきついアンモニア臭がする」
→モラルが問われますな
「エレベータの速度が遅く、あまり使おうという気にはならない」
→そりゃおしっこ掛ければ劣化するわな
「階段を併設してほしかった」
→非常用はあるんですがねぇ
「夜10時になると閉鎖されてしまう」
→おしっこを振り撒く奴がいるような場所なので防犯上止むを得ませんな

そんな当踏切の名称は「梶原踏切」。足利時代の末期に江戸城を築城したことで有名な太田道灌(おおたどうかん)氏の孫の太田資正氏の 子である梶原政景さんがお住まいだった場所だからなどけられた地名が由来となっているようです。

踏切の遮断時間が長いことがあるため、上中里さわやか橋を横断できない時間帯や車両は別ルートを迂回するよう案内板が掲出されています。

非常ボタン取扱注意札看板です。ここには表示はありませんが、この踏切は東北線の起点から数えて最初の踏切です。といってもそれは旅客線としての東北線の話で、日暮里~尾久間には旅客線に平行して回送専用線があり、そこにも踏切があります(別掲しています)。

では踏切内部を見ましょう。御覧の通りそれほど広くない道幅の左右には緑に塗られた歩行者ゾーンが設けられています。

↑赤羽・盛岡方、下り方向の線路です。右の2本の線路が東北線(宇都宮線・上野東京ライン)の線路で、左の線路は尾久車両センターからの側線です。

↑こちらは尾久・東京方、上り方向の線路です。左2本が東北線の線路で、右の線路は尾久車両センターへの線路です。

尾久車両センターはかつては上野発着の寝台客車のアジトでしたが、夜行列車衰退で列車そのものが消滅、現在はE231系・E233系が幅を利かせ、また訪問時は就役前の特急踊り子号用車両が疎開留置されていました。

当踏切を通過する下り列車です。実は当踏切の遮断時間が長いのは列車回数が多いことの他に、尾久駅に停車する下り列車が同駅を発車する前時点から遮断機が降りているからに他なりません。また、この踏切を通過する列車のほとんどが10両編成で、15両編成と言うのもあったりするのも諸悪の根源だったりします。
〔アクセス〕JR尾久駅から徒歩10分、JR上中里駅から徒歩8分、都電梶原駅から徒歩5分、都営バス・梶原バス停から徒歩4分
〔訪問調査日〕2021年2月25日

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